「一番好きな本は?」「一つだけ選ぶとしたら、どれ?」というのは、すごく難しい質問だなと思う。
でも、一番好きな作家さんと言われたなら、やっぱり私は、高田郁さん。
まだ読んでいない本もあるけれど、どの本が好きかと言われたら、「みをつくし料理帖」。
もう何度も読んで、その度に同じところで何回も泣く。もう展開も分かっているのに、涙が勝手に溢れ出る。
高田郁さんの文章は、心にそっと寄り添ってくれるような深い優しさに、人の持つ温かさや見えないエールを感じて、いつも心が震える。高田郁さんの物語に励まされて、背中を押されてきた方々は、一体どれだけいることだろう。
世の中の悪い部分に目を向けると、つい希望を失いそうになったり、挫けそうになったり、投げ出したいような気持ちになるときもある。
でも、高田郁さんの本を読んだ後は、どんな状況にいたとしても、それがどんなに小さな一歩だとしても、前を向いて歩いていこうと思える。僅かな光が差し込んでくるような優しさ、温かさ。
そんな人の温かな想いを、いつもそっと思い出させてくれるような素敵な物語たち。

短編小説で、こちらも本当に大好きな「ふるさと銀河線 軌道春秋」という本がある。その続編にあたる本「駅の名は夜明 軌道春秋Ⅱ」が出ていることに気が付かなくて、ようやく今週手にすることができました。
題名に「夜明」と入っていて、まさかなぁ … きっと日本にはよくある駅名なのだろうなと思って読んでいると、私の知っている地元近くの夜明だった。
田舎の車社会なので、その路線の電車を使ったことは、随分昔に一度しかない。でも、どうか後世にこのまま残しておいて欲しいと思うほど、とても美しい古い木造の駅舎だったことは、今でも鮮明に覚えている。
まさか大好きな高田郁さんの文章から、自分の知っている駅名や地名が登場するなんて!日本から遠く離れたドイツで、懐かしい友人と再会したような、さまざまな記憶とともに蘇ってきて、とても嬉しかった。
そして、この本の中でもう一つ嬉しかったことは、ウィーンが舞台のお話があって、ドイツ語も出てきたこと。
地味に嬉しい …。ウィーンは私が初めて訪れたヨーロッパ。自分は映画のセットに紛れ込んだのかと思うくらい、あまりにも美しくて、信じられなくて、衝撃的だった。そんなふうに自分の記憶や思い出と本の中で再会できるというのも嬉しいものですね。

物語の中に、ベツレヘムの星が 2 回も出てきていて、それも嬉しかったのです。
バッチフラワーレメディにも使われているスターオブベツレヘム。ショックやトラウマを緩和してくれる効能があります。
「苦しみや悲しみを和らげ、心を癒やしてくれる」とバッチ博士は記しています。
ベツレヘムは、キリスト誕生の地とされるパレスチナの町。キリストが誕生した際、占星学者が神の子の誕生を示す星に導かれてベツレヘムへ行くと、馬小屋でマリアとイエスを見つけたというお話があり、小屋の周りに、この花がたくさん咲いていたという説があるそうです。また、キリストが誕生した時にベツレヘムの星が天空で輝き、救世主の誕生を皆に知らせたとも言われています。
スターオブベツレヘムは、星形の形をしています。ちなみに、私の誕生花。
私たちのこれからをそっと照らしてくれるような、星の輝き。まるで、高田郁さんの紡がれる美しい物語の優しくて温かな言葉たちのような柔らかな光…。
